もじり附けは5.7.5の上5と中7で一つの意味をもたせ、その同じ中7と下5でまったく違った意味を持たせる句です。つまり中7を同音異義として使いこなすわけです。
梅雨あけてはちがつきたる花の芯
上5と中7の「梅雨あけてはちがつきたる(八月来たる)」の意味は文字通り梅雨明けで八月が来たということ、では中7と下5はいかがでしょうか。
はちがつきたる(蜂が付きたる)花の芯 甘い花の芯に蜂がついて蜜をすっているというわけです。
例1 二日酔いしょくよくはないこの不況
上5と中7: 二日酔いしょくよくはない(食欲はない)
中7と下5: しょくよくはない(職良くはない)この不況
例2 ビキニ着たひとみつめたいコンタクト
上5と中7: ビキニ着たひとみつめたい(人見つめたい)
中7と下5: ひとみつめたい(瞳冷たい)コンタクト
例3 氷かむつめたいせつな手のモデル
上5と中7: 氷かむつめたいせつな(冷たい刹那)
中7と下5: つめたいせつな(爪大切な)手のモデル